鉄のフライパンは難しそうと思う理由の一つに、食材がくっつきやすいというものがあります。
これ、実は使い方のルールさえ守れば簡単に解決します。
そんなに難しいことではないので、しっかり覚えてストレスなく調理しましょう!
鉄のフライパンをくっつかないように使う方法
- 油ならしをする(基本的に初めて使うときだけ)
- フライパンを十分に熱して吸着水を飛ばす
- 煙が見えてきたら火を弱めるかいったん火を止めて少し冷ます
- 油を入れる(火を止めている場合は火をつける)
- 油をフライパンに行き渡らせたら食材を入れる
- 食材の底が焼けてから食材を動かす
一番忘れちゃいけないのが、鉄のフライパンの使い方は、フッ素加工(テフロン加工)のものとは真逆なこと。
フッ素加工のものと同じように使うと失敗します。
これは要注意だね
以下、特に注意するべきことについて解説していきます。
油ならしをする
鉄のフライパンに油膜を作って、油のコーティングを作ります。
こうすることで、焦げ付き防止・さび防止ができます。
油ならしは基本的に初回のみで、買ったばかりの鉄のフライパンには必ず油ならしをしましょう。
>>【簡単】油ならしのやり方を紹介!だいじなのは”冷ます”こと
>>油ならしとかめんどくさい!油ならし不要の鉄フライパンを紹介
表面の吸着水を飛ばす
鉄のフライパンの表面には、目には見えない”吸着水”と言われる水分があります。
この吸着水がある状態のまま鉄のフライパンを使うことで、食材がくっついてしまうのです。
吸着水は200℃~250℃までフライパンを熱することで離れます。
なので必ずフライパンを温めてから調理しましょう。
温まった目安はうっすら煙がでるまでです
※吸着水を飛ばす際の注意
目安はうっすら煙が出るまでですが、フライパンがきちんと洗えていないと、表面に残っていた汚れが焦げて煙が出ます。このときはまだ200℃まで達していませんので、吸着水はまだ残っています。
なので、使用後のフライパンはきちんと洗っておくことが大切です。
>>【洗剤は使ってもいい】鉄のフライパンの洗い方
火を弱めるか、いったん火を止めてから油を入れる
フライパンを熱して吸着水を飛ばした後は、火を弱めるか、いったん火を止めて表面温度を下げます。
目安は少し煙が出てきたときです。
そのあとに、調理用の油を入れます。
理由は、
- 油が高温になりすぎてすぐに酸化してしまう
- フライパンの温度が高くて食材が焦げてくっつきやすくなる
からです。
それに、油は高温で熱し続けると酸化します。
酸化した油は料理の風味を損なうほか、胸やけがしたりと体によくありません。
吸着水を飛ばすために熱したフライパンは、いったん表面温度を下げるというのを覚えておきましょう。
再度火をつけるときは、弱~中の強すぎない火にします。
鉄のフライパンは高温にも耐えられますが、調理中の火が強いと料理が焦げつく原因となります。
食材の底が焼けてから食材を動かす
食材がくっつく原因のひとつは、食材が焼けていないのに混ぜたりひっくり返したりすることです。
鉄のフライパンと食材が接している面がちゃんと焼けていれば、フライパンを揺するだけで、くっつかずにするするとフライパン表面を滑ります。
お肉も焼けるまでは水分が出ますし、餃子も蒸し焼きすると水を使いますよね。
なので、お肉は接地面が焼けるまで、蒸し焼きの餃子は水分がなくなるまでは動かさずに焼きます。
他の食材でも同様で、
- 底が焼けてから動かす
- 水分があれば水分が飛んでから動かす
という点に気を付けましょう。
特にくっつきやすいのはタンパク質とでんぷん
肉・卵・ぎょうざ・麺類など、タンパク質やでんぷんが含まれている食材はくっつきやすいです。
なぜくっつきやすいかと言うと、
- 魚や肉などのタンパク質は、鉄やステンレスの金属に対して50度以上で熱凝着(ぎょうちゃく)と呼ばれる化学反応がはじまり、 ある温度になると、タンパク質は金属とくっつく
- ご飯や麺などのでんぷん質のものは、60度以上になると糊(のり)状になり粘りが出てくる
引用 こびり付きの科学|フライパン倶楽部より
このため、くっつきやすくなります。
調理中に鉄のフライパンの温度を下げないことも大切
フライパンの温度が低いと、食材の表面を焼き固めることができずくっついてしまいます。
温度を下げないように注意することは、
- 肉や卵などは焼く前に冷蔵庫から出しておく
- ぎょうざを蒸し焼きにするときは水ではなくお湯を入れる
- フライパンに対して食材を多く入れすぎない
という点に注意しましょう。
冷凍餃子は冷凍のままフライパンに並べますが、パッケージ道どうりに調理して、水分が飛び、底面がちゃんと焼けてから取り出しましょう。
まとめ
基本的な調理手順は以下の通りです。
- 油ならしをする(基本的に初めて使うときだけ)
- フライパンを十分に熱して吸着水を飛ばす
- 煙が見えてきたら火を弱めるかいったん火を止めて少し冷ます
- 油を入れる(火を止めている場合は火をつける)
- 油をフライパンに行き渡らせたら食材を入れる
- 食材の底が焼けてから食材を動かす
そしてなによりも大事なのは温度。
低すぎるとくっつく原因になるので、できるだけ鉄のフライパンの温度を下げないように使いましょう。
まずフライパンの使い方は、
- 調理前にしっかりフライパンを熱する
- 煙が出てきたら火を弱めるか火を消してフライパンの表面温度を少し下げる
- 油を入れてフライパンになじませたら弱~中火で調理する
また食材に関しては、
- 冷凍もの以外は、できるだけ常温に戻してから使う
- ぎょうざなど、蒸す場合に使うのは水じゃなくてお湯にする
- 洗った野菜の水気はしっかり切る
といった点に気をつけましょう。
決まりごとがあると少し面倒に感じるけど、慣れてしまえば簡単なルーティン。おいしいごはんはこれで決まり!
参考記事
→鉄のフライパンの使い方のキホン|樋口直哉(noteより)
→こびり付きの科学|フライパン俱楽部より
参考動画
→【プロも間違えてる】鉄のフライパンの正しい使い方|ザキ’s kitchenより